宴会が多く、たくさんの方が毎日のようにお酒を飲むこの時期、二日酔い対策は万全でしょうか。飲み会の次の日が仕事という方も多いかと思います。そこで今回は二日酔いの原因とお酒を飲んでも次の日に支障を残さない、効果的な二日酔い対策をご紹介します。
二日酔いとその原因
二日酔いになると、ズキズキする頭痛や吐き気、だるさなどの症状が出ます。そもそもなぜ飲んだ次の日にそのような症状が出るのか。それには実はいろんな原因があります。
アセトアルデヒド
原因としてあげられるもので最も有名ではないかと思います。アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で分解させる際にできる物質で、吐き気や呼吸促拍などアルコールよりも強い影響を人体に促します。ALDHという物質が分解してくれますが、ALDHの働きが弱いとアセトアルデヒドが分解されず、次の日にも身体に残り二日酔いになります。
脱水症状
肝臓がアルコールを分解するには体内の水分を使いますえ。また、アルコールには利尿作用もありますので、飲酒中は頻尿になる方も多いでしょう。さらに、普段でも睡眠から目覚めた時にのどが渇くように、睡眠中も水分は消費されます。
つまりアルコールを摂取し、そのまま寝てしまうと多くの水分を失うことになるので、目覚めた時にはひどい脱水症状になることがあります。
糖分(グルタミン)が不足
アルコールを分解しているのは肝臓ですが、肝臓には糖分を生成する役目もあります。しかしアルコールを摂取すると肝臓はアルコールの分解を優先させてしまうので、その間糖分を生成できなくなります。
肝臓には糖分のストックもありますが、それも約8時間ほどで消費してしまいます。ですのでお酒を飲んで、眠って目覚める頃には体内に運ばなければならない糖分が足りていない状態になります。糖分不足は頭痛・だるさ・吐気の他に筋肉痛になることもあります。
二日酔い対策(予防編)
今のところ、二日酔いにならない絶対的な方法はありません。二日酔いの原因も様々であり、現在も研究中のことだからです。ですので、ここでの対策は、あくまで二日酔いになりにくくする方法です。
二日酔いになりにくくする方法は、主に食事にあります。飲酒前、飲酒中の飲食をコントロールすることで、ある程度防ぐ事が可能です。
ちなみに牛乳を飲んで胃に膜を張るという話がありますが、牛乳は飲酒前に飲んでも効果はありません。
1.お腹を満たす
空腹時に飲むと、胃や腸は他に吸収するべき栄養が無い為に、急速にアルコールだけを吸収します。その結果、血中のアルコール濃度が増し、酔いやすくなり、二日酔いにもなりやすくなります。
すでに胃に何か入っていれば、胃や腸はそれを分解・吸収しますので、アルコールの吸収が遅くなりますし、そのまま排出される分も増えるので体内に吸収されるアルコール分が減ります。
また、空腹時ということは糖分もストックされている分を消費している状態です。その状態での飲酒は、より糖分不足を引き起こします。飲みの席などで開始時に何も食べてない状態で乾杯し、一気に飲み干すというのはとても良くない飲み方と言えます。飲酒する際は必ず何か食べてから飲みましょう。
2.ビタミンC、脂肪分などの食事を一緒に摂る
脂肪は胃に入っても消化・吸収されないので、胃でのアルコールの吸収を妨害してくれます。吸収されなかった分はそのまま排出されるので、全体的な血中のアルコール濃度を抑えることができます。
ビタミンCは肝臓の働きを助ける効果があります。アルコールを吸収しても、その後肝臓でアルコールの分解、アセトアルデヒドの分解が正常に出来れば、二日酔いになりにくくなります。
3.炭酸水で割らない
炭酸飲料は栄養素の吸収速度を上げてくれます。ですが同時にアルコールの吸収速度もあげてしまいます。ソーダ割りなどはアルコールを薄めてくれているようで、実はとても血中のアルコール濃度を上げている飲み方なのです。できるだけ水割りやお茶割りにする方が良いでしょう。
4.セーブすることを心がける
結局これに尽きるのですが、上記のことをわかった上でどの程度飲むかは自分次第です。
そのためにも自分がどの程度飲むとアルコールが回るのか把握しましょう。
飲酒前に効果的な食べ物、飲み物
- はちみつ
- 脂肪分の多い固形物
- バターやオリーブオイルなど
飲酒中に効果的な食べ物、飲み物
- グレープフルーツなど柑橘系のフルーツ
- 脂肪分の多い固形物
二日酔い対策(事後編)
事前に対策をしても、体調次第では二日酔いになることもあります。また、急に飲むことになったり、付き合いでたくさん飲まされることもあると思います。
5.水分補給
二日酔い時は脱水症状になってることがよくあります。まずはできるだけ水分を補給しましょう。その時、水分を体内に維持するためにミネラルや塩分が一緒にとれる、スポーツ飲料などで摂るといいでしょう。また味噌汁なども塩分が含まれているので効果的です。
肝臓にまだアルコールまたはアセトアルデヒドが残っている場合は、グレープフルーツジュースなどで水分補給すると肝臓の働きが良くなるでしょう。これらは不足してしまっている糖分の補充にも活躍してくれるはずです。
6.アセトアルデヒドを解毒する
アセトアルデヒドは頭痛や吐き気の原因となる毒素です。毒素ですので、解毒をおすすめします。アセトアルデヒドの分解に効果的な食べ物は蜆、あさり、ごまなどです。
二日酔いになってから効果的な食べ物、飲み物
- スポーツ飲料(塩分と水分を同時にとる事で、身体中の水分を補給します。)
- オレンジまたはグレープフルーツジュース(ビタミンCが肝臓の働きを助けます。)
- 蜆の味噌汁(塩分と水分の吸収ができ、蜆がアセトアルデヒドの分解を助けます。)
二日酔いの時のNG行動
二日酔いの際、または飲んだ直後は以下のような行動は控えましょう。
サウナやお風呂などに行く
サウナやお風呂に入ると体が温まり、血行がよくなります。しかし飲酒後や二日酔いの状態で入ると血液中のアルコールも一層めぐりがよくなってしまいます。アルコール濃度が一気に増し、急性アルコール中毒や脳卒中になる恐れがあります。
激しく動く
サウナやお風呂と同じく、体温が上がり、血流が良くなるのでやめた方がよいです。
頭痛薬を飲む
頭が痛くなるので頭痛薬に手を出してしまうのはわかりますが、やめた方がいいでしょう。頭痛薬を分解し、身体に効果を促すのは肝臓です。しかし二日酔いの時は肝臓はアルコール、アセトアルデヒドの分解を優先させますので、頭痛薬をうまく分解することができませんし、逆に胃が荒れることがあります。
迎え酒
迎え酒をすると二日酔いが引くと言われていますが、これは間違いです。迎え酒によって血中のアルコール濃度が増し、感覚的には二日酔いを打ち消したように感じます。ですが、肝臓には分解中のアルコールなどが残っていますので、そこにさらにアルコールを増してしまうと次の日に持ち越してしまうだけです。肝臓への負担も増します。さらにアルコール依存症になる可能性もあるので、二日酔い時の飲酒は控えましょう。
まとめ
二日酔いはなった人にしかわからないものですが、一度経験するとその辛さがわかるというものです。次の日に仕事があったりする場合もあるのではないでしょうか。そんな時に昨日飲みすぎて…など言っても何の言い訳にもなりません。他の方にも迷惑をかける場合もあります。二日酔いになった場合のことも書きましたが、二日酔いにならない方がベターです。お酒を飲むときは空腹を満たし、水分をとって、二日酔いにならないように節度を守りましょう。
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