時間が無くて、なかなか睡眠が取れない時・・・どうして、人間は睡眠を取らなくてはいけないのか考えたことはありませんか?
睡眠は人間が健康に生きる為にはもちろん、美容にも欠かせない要素です。そして、そこには【成長ホルモン】というホルモンが深く関わってきます。
知っているようで、意外と知らない睡眠について。ここでは成長ホルモンと睡眠の関係などを詳しく書いていきたいと思います。
目次
睡眠がもたらす美容と健康の効果
寝る子は育つということわざがありますね。よく寝る子は健康で丈夫に育つという意味ですが、睡眠の効果はこのことわざ通りなのです。睡眠には成長を促す成長ホルモンの分泌や、記憶の整理、疲労回復やストレス発散の効果もあります。睡眠は身体の機能のほとんどに通じています。それほど重要なものです。しかし、ただたくさん寝ればよいというものではありあません。
1.ダイエット効果
正しく睡眠できると、なんとそれだけで6時間で約400キロカロリー消費することができます。これも成長ホル モンが余分な脂肪を分解してくれているからです。また、脂肪が分泌するレプチンというホルモンは脂肪が増えないよう食欲を抑える働きをしますが、睡眠不足 だとこのレプチンが少なくなってしまいます。逆に食欲を増進するグレリンというホルモンは、睡眠不足だと増えてしまいます。つまり睡眠不足になるとそれだ け食欲が増すのです。
2.肌質改善効果
美肌を保つためには効率よく、肌をターンオーバーさせて老角質を溜めないことです。そして、ターンオーバーは基本的に睡眠中に起こります。睡眠中に分泌される成長ホルモンがターンオーバーを促し、体中の細胞の修復や再生を助けます。つまり肌や筋肉を若く健康に保つ、アンチエイジングの効果があると言えます。
3.ストレス解消効果
ストレスとは主に脳の疲れからくるものです。ですので、脳を休ませることはストレスの解消になります。
逆に睡眠不足はストレスになり、うつ病や精神疾患を発症する場合もあります。
4.疲労回復効果
睡眠には当然疲労を回復させる効果があります。具体的に言うと、これも成長ホルモンの働きですが、傷ついた身体 の組織の修復をしてくれているからです。これは単に肉体労働の疲労を回復するというだけでなく、脳の疲労も回復させます。むしろ人の脳は常に活動している ため、脳の方がより睡眠時間を必要とします。
成長ホルモンって何?睡眠とどんな関係が?
成長ホルモンとは
成長ホルモンとはアミノ酸で構成される物質で、筋肉の強化や骨の成長、バストアップ効果などの組織の成長を促す働きと、疲労回復、脂肪燃焼、免疫力、体組織の修復などの代謝コントロールがあります。この成長ホルモンがたくさん分泌されれば、健康でいられ、肌質を改善してくれるのは言うまでもありませんね。逆に不規則な睡眠で成長ホルモンが低下すると、病気になりやすくなり、肌の老化も早まり、太りやすくなるということです。
成長ホルモンと睡眠
なぜ睡眠が重要かと言うと、それは成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されるからです。成長ホルモンは副交感神経が優位な時に分泌される物質であり、副交感神経は主に睡眠中に優位になります。しかし、ただ眠れば良いと言うものでもありません。
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠の中でも、成長ホルモンが多く分泌されるタイミングというものがあります。
睡眠は夢を見ながら記憶を整理するレム睡眠と、体を休ませるノンレム睡眠の2種類があります。ノンレム睡眠から始まり、レム睡眠になり、またノンレム睡眠になるという繰り返され、ノンレム睡眠がはじまってレム睡眠が終わるまで1サイクルが90分と言われています。また、最初のノンレム睡眠には、ウトウト、スヤスヤ、ぐっすり、昏睡の4つの段階があり、成長ホルモンはこのぐっすりから昏睡にかけてのタイミング(徐波睡眠)で分泌が始まり、2サイクル目のレム睡眠まで多く分泌されます。従って、成長ホルモンを多く分泌させるには、眠り始めて3時間はしっかり眠る必要があるということです。
睡眠は3時間間隔が調度いいと言われることがあるのは、このためです。しかし、実際は3時間だけでは足りません。成長ホルモンが分泌されたあと、身体に巡らせる時間が必要だからです。
しっかり睡眠をとって成長ホルモンをたくさん出そう!
ゴールデンタイム
22時~2時は多くの成長ホルモンが分泌される時間と言われており、この時間帯がゴールデンタイムと呼ばれています。特に成長ホルモン分泌のピークは0時~1時らしいです。つまり22時すぎに眠ることができると、睡眠後最初の3時間がゴールデンタイムと重なるため、より多くの成長ホルモンを分泌させることができるということです。
ぐっすり眠りましょう。理想は7時間?
とは限りません。理想的な睡眠時間には個人差があります。統計的には睡眠時間が7時間の方は健康的で平均寿命が長い、死亡率が低いなどがあるのも確かなようです。しかしあくまで平均的なもので、8時間睡眠の方が健康的でいられる方もいるようです。ただし、睡眠時間が少ないと良い事がないのは確かです。例えば、睡眠時間が4時間以下だと73%も肥満になりやすいそうです。5時間で50%、熟睡できた時の消費カロリーが400キロカロリーであることや、レプチン、グレリンの分泌量に関係があるでしょう。
また、疲労回復や細胞を修復するノンレム睡眠は睡眠時間の80%を占めます。最初の3時間程度でたくさん分泌されますが、その後の時間で体中を巡り、身体を修復していくので、健康にはその時間も重要になります。
つまり、22時くらいに寝はじめてゴールデンタイム中に徐波睡眠状態になると、よりたくさんの成長ホルモンが分泌され、そのまま7~8時間ぐっすり眠る事ができれば、成長ホルモンが全身に行き渡り健康にも美容にも良いということです。
寝すぎが疲れる理由=レム睡眠過多
寝すぎは身体に良くないという話を聞きますね。それはなぜかというと、ノンレム睡眠とレム睡眠の間隔の違いにあります。成長ホルモンは眠りについた最初のノンレム睡眠の時間に分泌され、その後のノンレム睡眠の時間に体を巡って修復作業をしてくれます。しかしノンレム睡眠とレム睡眠の割合は、サイクル数が増すごとに変動し、ノンレム睡眠の時間が減ってきます。つまり長い眠りについても後半はずっとレム睡眠の浅い眠りの状態が続くわけです。レム睡眠も記憶の整理が行われるのである程度は必要ですが、あまりその時間が長すぎると逆に体の方が疲れてしまいます。寝すぎて疲れるというのはこれが原因です。
まとめ
ちゃんと眠って成長ホルモンをしっかり分泌させることが、健康と美容には欠かせないことなのが分かったかと思います。忙しくてなかなか眠れない方もいるでしょうが、肌も脳もどの細胞も、成長ホルモンが届くのを待っています。できる限り適切な睡眠をとって、身体を労わってあげてください。
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