血液は身体全体に栄養、酸素、熱などを運び、同時に毒素や老廃物を排出するという大きな役割があります。この血液の流れの事を血行といい、血行が悪くなると、新陳代謝が落ち、肥満、肌荒れ、冷え性などのさまざまなトラブルが起きます。血行が悪いと具体的にどんな症状があるか、また血行不良の改善方法を紹介します。
目次
血行不良で起きる主な症状
血行不良の人は新陳代謝が悪くなり、エネルギーの消費がうまくできなくなります。その結果、以下の様な症状が出てきます。
冷え性
特に女性に多いですが、男性でも冷え性はあります。血液は身体を温める効果があります。それは血液事態が温かいからですが、血行不良だと血液の循環が遅くなり、温かい血液が指先にたどり着く前に冷めてしまうからです。
肩こり、腰痛
これもまた、多くの人にある症状です。血行不良で肩こりや腰痛が起きるのは、酸素が筋肉に十分に送られず、筋肉が酸欠状態にあるからです。酸欠状態の筋肉に負荷がかかると、老廃物や疲労物質が溜まりやすくなります。それらがコリであったり、それらを排出しようとする動きが腰痛のような痛みになったりします。
肌荒れ
血行不良は肌にも影響をあたえます。肌は一定の周期でターンオーバーという生まれ変わりが行われなければなりません。この周期が乱れると古い角質が残り肌荒れや乾燥肌、シミ、にきび等の原因になります。ターンオーバーの乱れの原因は様々ですが、血行不良もその原因の一つです。毛細血管に栄養や酸素が運ばれないと隣接している肌細胞の健康が損なわれてしまい、ターンオーバーに必要なエネルギーが足りなくなってしまうからです。また、老廃物や外から皮膚を通して入って生きた不純物を取り除くことも難しくなってしまいます。
太る
まず、太らないようにするには脂肪を燃焼させなければなりません。それには新陳代謝、エネルギーを循環させなければなりません。その為に必要なのが熱であり酸素です。また、燃焼させて老廃物になった脂肪の排出も重要です。つまり血液の役割のほとんどが肥満に関係しています。血液が円滑に全身に運ばれなければ新陳代謝が悪くなり、脂肪が溜まりやすい体質になってしまいます。
血管が詰まる
血行不良は主にサラサラであるべき血液が、ドロドロになってスムーズに流れない状態のことです。このドロドロの血が固まってしまった場合、血管内でそれらが詰まって血栓になり、脳血栓や脳梗塞、心筋梗塞などの致命的な症状になることもあります。
その他
高血圧、不眠症、疲れがとれないなど
血行不良になる4つの原因
1.水分不足、栄養不足
血液も液体である以上サラサラしている方が流れがいいです。ですが血液は水分、栄養が足りていないとドロドロになっていしまいます。血液の水分量が少なくなるのはもちろん、栄養不足により中性脂肪、悪玉コレステロール、糖質が増えてしまうので水分量も減ります。また、赤血球の柔軟性が弱まり、血小板が集まって固まってしまうこともあります。
2.筋力、運動量が不足している
筋肉と血管は合わせて全身のポンプのようなもので、筋肉が活発に活動している方が血液はスムーズに流れます。しかし筋肉も、その運動も不足していると血液はスムーズに流れません。また、運動不足による筋肉のコリや脂肪で血管が圧迫されたりもします。
3.ストレスや喫煙によって
血管には収縮性があり、収縮して狭くなると当然流れは悪くなります。その原因としてストレスからくる自律神経の乱れやストレスホルモンの分泌、喫煙による活性酸素での細胞の老化などがあります。また、身体が冷えても血管は収縮します。
4.身体が冷える
身体から熱が失われるというのは、全身が機能ダウンしてしまうということです。筋肉が凝縮して筋肉のポンプの役割が損なわれ、新陳代謝も悪くなってしまいます。
血行不良を防ぐ4つの方法
1.食事で防ぐ
普段の食事を見直してみましょう。水分補給がしっかりできていることは第一です。また、血をサラサラにしてくれる食べ物もたくさんあります。
- ビタミンA・・・鶏レバー、うなぎ、にんじん、春菊など。
- ビタミンB6・・・にんにく、まぐろ、牛レバー、鮭など。
- ビタミンC・・・パプリカ、ゆず、芽きゃべつ、レモンなど。
- ビタミンE・・・アーモンド、オリーブオイル、いくら、あゆ、いわし、たらこなど。
- 鉄分・・・牛赤身、牛ハツ、ひじき、かつお節、ほうれん草、卵黄、豆乳など。
- 銅・・・牛レバー、しゃこ、ホタルイカ、干しえびなど。
- パントテン酸・・・鶏レバー、豚レバー、牛レバー、鶏はつ、卵黄、納豆など。
2.運動する
適度な運動は血液の循環を良くしてくれます。特にウォーキングなどの有酸素運動が良いです。足は心臓よりも下に位置するため足先まで行った血液をまた心臓に戻してあげるにはしっかりとした筋肉が必要です。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれるくらいで、下半身から上半身に血液を送るためのポンプの役割があります。ですので、ふくらはぎが無理なく鍛えられ、全身を温める事のできるウォーキングはおすすめです。ただし、激しい運動や筋トレは身体全体に負担がかかってしまい、逆に血行を悪くする場合があるので、運動にも加減が必要です。
3.マッサージする
マッサージも重要です。筋肉が凝り固まって柔軟性を失ってしまうとポンプの役割も半減してしまいます。運動後でなくても時間のある時にはマッサージをして、筋肉を柔軟に保ちましょう。ここでもふくらはぎを中心に、かかとから膝に向かって足先に溜まった血を返してあげるようにマッサージします。他の部位も同様にやってください。筋肉の凝りをほぐすだけでなくリンパも流してあげられるので、老廃物も流れて美肌にも効果があります。
4.半身浴
半身浴は肺や心臓に水圧という負担をかけずに身体を温めることができる効果的な方法です。人肌よりも少し温かい程度のぬるま湯が良いとされています。身体を芯から温めることで、新陳代謝が上がり、血行だけでなくリンパの流れも良くしてくれます。
まとめ
他にも、血をサラサラにして血行不良を防ぐ方法はたくさんあります。ですが、何もせずに不規則でだらしない生活を送ってしまうと、血液はどんどんドロドロになっていき、場合によっては命の危険を伴う病気になることもあります。もしも当てはまる原因があるのであれば、無理せずできることから改善して、サラサラの血液になりましょう。
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