カッコいい男性になるために、美容に力を入れるのは大賛成です。プラスして、仕事も出来るともっとカッコいいですね。今回は仕事に役立つビジネス書をご紹介します。
和仁 達也 かんき出版 2017-09-13 売り上げランキング : 17066
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この本を読むのにおススメの方
- 自営業者・社長
- 中間管理職・マネージャー
- コンサルタント(税理士・社労士)
この本で学べる事
- お金のブロックパズルの作り方
- 業界の平均経費率
- 会社が何にお金をかけすぎているのか
- 会社が何を改善し、何を行えばいいのか
- 社長と話す時のトーク術
※お金のブロックパズルとは、下記の様な一枚の図です。決算書を見た方が的確に描けますが、ある程度の情報があれば決算書がなくても書けます。これを使用すると様々な事が実践できます。
この本の使い方
- 自営業者・社長の方は自分で本を読み進めながら、セルフコンサルをすることで、自社のお金の動きが把握できます。それにより何が問題なのかを可視化し、理解することが出来ます。
- 中間管理職・マネージャーは、社長と社員に挟まれて板挟みとなっていませんか?お金のブロックパズルを使い、問題を可視化することで、上司や部下にも上手く説明が出来るので、改善案を納得させやすいと思います。加えて会社全体の事を考えていると社長に認められるかと思います。
- 税理士・社労士・コンサルタントの方、この本はどうやってクライアントにその話を切り出し、どうやって進めていくかの具体的な話法まで乗っています。かなり親切です。今の業務にプラスして、クライアントの経営判断にまで影響を与える様なお仕事がしたい方は、この本はおススメです。
この本の内容
この本は基本的にコンサルタント(税理士や社労士など)向けに掛かれています。現在士業の方は昔よりも報酬が低くなっているようですが、この本では現在の業務に加えて「社長のお金の悩みを相談するパートナー」として活躍し、自身の報酬を上げる方法が書いてあります。
まず高額な報酬を取るためには自身が経営を俯瞰して見ることができ、経営にかかわる位置に行くことが大切です。
経営の枝葉の一つを担うのではなく(例えば税理士なら税金の業務だけでなく)、全体的収益構造をどうやって作っていくかを考え提案できるようにする事が高額報酬への近道だとこの本では言っています。
実際、社員30人以下の社長のお困りごとTOP3として
1、会社のお金の流れが漠然としていることによるストレス
2、社員と社長の危機感のずれ
3、次のワクワクするビジョンが見えないというストレス
が上げれるようですが、この悩みをお金のブロックパズルを用いて解決しようというのが本書の主旨です。
会社のお金の流れはブロックパズルにすると分かりやすくなります。またそれにより、何が問題で何が必要なのかも見えてきます。そうすると次のワクワクするビジョンも見えるのです。
さて、私自身は自営業者に当たりますので、この本を読みながらセルフコンサルが出来ないかと試してみました。実際試してみると面白い事が分かりました。まず自社のブロックパズルを作成します。内容は
・売上高(年間の売上)
・変動費(売上が増えると増える支出)
・粗利
・固定費(売上が増えても減らない支出。家賃、広告費)
・人件費(社長の人件費も入れて)
・その他
・利益
です。
それが作成出来たら、業界水準と合わせます。分かったことは、
- 固定費が少し高い
- 人件費は業界水準ギリギリ(これ以上上げると高い)
という事でした。お金のブロックパズルを作成するまでは、なんとなく「売上を上げればどうにかなる!」と思っていたのですが、問題を先送りしている気もしていました。改めてこうやって数字に落として、業界水準と比べると自社の状態を冷静に見られて、次の手をうちやすくなります。
ちなみに私はこの数字を元に、従業員たちに状況を話し、『このまま今年も給与を上げると経営の負担になってしまう。申し訳ないけど、売り上げが目標に達したら、今年あげる分の給与は、ボーナスとして出すことに出来ないだろうか?もちろん売り上げが上がらない場合は、それを出すことが出来ないので、みんなで一緒に頑張って欲しい』と話をしました。
スタッフの士気を下げることなく話が出来たのはよかったと思います。また広告費も問題なので、そこも見直しをかけていく予定です。
この様に自社の状態を整理して、問題を共有しやすくするメリットがあるお金のブロックパズルですが、あまりにも正確な数字を入れると難しくなるので、作るときは概算値でOKです。上位3桁、1155万円なら1150万円に変換して考えると分かりやすくなります。
経営判断において重要なのは、正確なことは何かではなく、重要ポイントは何かという事です。それについて早く分かりやすく知りたいので、むやみな正確性はおいておきましょう。
さきの私の話に戻りますと、従業員のボーナスも払い、十分な利益も確保するには今年はいくら売り上げを上げればいいのかという目標も立たせることができます。
去年の10%増しでいいかなどと適当に考えていた目標数字が、根拠を基にして作られる過程は、今年それをするために何をすればいいかもイメージしやすくなります。
自社の場合は去年より売上を3%上げて、経費を2%下げれれば、皆のボーナスが出せます。達成できそうな数字ですので、従業員と協力して頑張ろうかと思います。
この様に、本書は
- 社長が自分の問題を認識できる。(もしくは、クライアントの課題発見できる)このブロックパズルを使うと自身の会社のお金の仕分けができる。業界水準には当てはめて、自社はどこにお金をかけすぎているのかを認識することが出来る。
- 社員と問題を共有できる。単に「会社がヤバイ」といっても社員に伝わらない。どのくらい人件費がかかってて、それは適正なのか?適正でない場合は、労働効率が悪いということ。それを説明し、売上をこの人数で〇%上げると改善出来る、または新入社員を翌年いれずに今の人数で運営出来れば〇%改善できるなどの話が出来る。社内で起こる問題の多くが【情報量の不一致】が原因。これで情報量を補ってあげる。
2に関しては、社長と部下の板挟みとなっている、中間管理職やマネージャーの方も有効かと思います。給与を上げろ、人を入れろといっている社員とそれとは反対の事を言う社長、どちらが本当の会社の事を考えているのか。このブロックパズルは決算書を見なくても、ある程度の情報があれば作成できます。
自社の売上、社員の大体の給与×人数、固定費や変動費が分からない場合は業界水準と置き換えて、それで数字を見てみるとどうですか?一度やってみても面白いかもしれません。
また、この本には”安全な会社の見分け方”も載っています。
- 借入金が年間粗利の80%内に収まっているか?
- 税引き後利益の何倍の借入金か?(例えば借入金が70%、税引き後利益が7%だった場合は借金返済に10年かかるということ。これが0.7%だと返すのに100年かかるということ。100年かかって返すという会社に、銀行は普通お金を貸さないのでヤバイです。)
自社やクライアントはどうでしょうか?ちなみに弊社は無借金なので、こちらは心配がありませんでした。
この本の後半は、決算書がなくてもトークでブロックパズルを埋める質問集が書かれており、どうやって話し始め、どう話をもっていくかまでとても詳しく書いてあります。報酬を上げたいけど、そんな話クライアントに出来ない!または社長に聞いたみたいけど、そんな話出来ない!とお思いの方は、この本を買って丸暗記してください。
ちなみに内容としては
1、まずは前置きトーク2、一般地のブロックパズルについての説明
3、5つの質問をする
- 売上はいくらくらいですか?
- 粗利率は何パーセントくらいですか?
- 利益はいくらくらいですか?
- 人件費はいくらくらいですか?
- 借金残高はいくらくらいですか?
とうい様な事が、実践に使えるトーク集と一緒に書いてあります。
最後に、私はコンサルタントというのは、「会社の問題を指摘するだけの評論家」だと思っていました。ですが、この本ではコンサルタントを
- 全体的収益構造をつくっていくかも考える。それを作っていくのはスタッフなので、スタッフ教育もするし、そのための面談やスタッフミーティングもする。
- 客数UPや売上UPが必要ならそれも考える(実際に本書に客数UPの方法9つがあります)
- 教えるコンサルタントから、一緒に社長の夢をかなえるコンサルタントへ
と定義しています。
正直、社長は問題を洗い出し、分析し、そして改善を続け続けるのは、一人でやるのは面倒で、モチベーションが続かない事もあります。
実際に上記のようなコンサルタントで、その方の報酬を払ってもお釣りがくるくらい、自社が改善できて、それを一緒にやってくれるのであれば、それは高額報酬・継続契約になるのは当たり前だと思います。
ブロックパズルはあくまでも、最初の糸口にすぎません。ですが、このブロックパズルは、相手の信用を得て、お互いに良い関係を築く最初の大きな一歩になる事もあるでしょう。
私にとっては有意義な本でした。ご興味がある方はご一読をどうぞ。
和仁 達也 かんき出版 2017-09-13 売り上げランキング : 17066
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