毎日を精力的に過ごしていても、年々疲れやすくなる自分の身体。疲れやすいのは年のせいかと思っているかもしれませんが、それは身体の使い方かもしれません。今回は、【疲れない身体】を手に入れる方法を2冊の本を通じてご紹介いたします。
目次
『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』/葛西紀明
葛西 紀明 東洋経済新報社 2017-12-15 売り上げランキング : 326
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スキージャンプのレジェンド葛西選手の本です。葛西選手は日々の筋トレだけでは疲れない身体は手に入らない、逆に疲れが衰えに繋がっていくこともあると言っています。今回は葛西選手直伝、普通の人でもすぐできる「5つの習慣」をお伝えします。
1:「代謝を上げる食べ物」を取る
身体は食べたもので出来ています。食べ物に気を配るのも、一つの疲れない身体を作るポイントです。葛西選手は代謝が上がる食べ物をお奨めしています。積極的に取りたいのは、アミノ酸・ビタミンB群・カリウム・ヨウ素、そして体を温める食材などです。下記は、それらが多く含まれている食材です。納豆などは簡単に摂れますので、朝食に食べるのもいいかもしてません。
・アミノ酸が多い……豚肉(ロース)、大豆、卵、レバー、牛乳、チーズなど
・ビタミンB群が多い……豚肉、レバー類、うなぎ、青魚、バナナ、玄米、納豆など
・カリウムが多い……納豆、ワカメ、みそ、バナナ、豆腐、コーヒーなど
・ヨウ素が多い……コンブ、ワカメ、ハマグリ、青魚、ところてん、卵など
・体を温める……トウガラシ、紅茶、生姜、長ねぎ、カボチャ、ジャガイモ、根菜類など
2:サウナ(温冷交代浴)へ行く
葛西選手はサウナもおススメしています。「温冷交代浴」はご存知でしょうか?サウナと水風呂を交互に入る入浴方法の事です。水風呂が苦手な人は、足のみ水風呂やぬるめシャワーでも大丈夫。疲れない身体を手に入れてみたい人は、酒井選手お奨めの温冷交代浴を試してみましょう。またサウナは長く入ればいいというものではなく、効率よく自分のペースで入るのが大切です。休憩と水分補給をシッカリおこない、自分の身体が喜ぶ入り方を心がけてください。
3:10分走る
なんだか疲れたなと感じたら、逆に10分ランニングをする方が疲れがとれるそうです。ランニングは軽くでOKです。体の代謝を上げる事も、疲れない身体を手に入れるコツなのだそう。また現代人は頭ばかりを使っている人が多いので、そんな方は身体を使うことによりバランスが取れてシッカリ休める=疲れが取れやすくなる効果もあるでしょう。このランニングですが、毎日やらなくても大丈夫だそうなので、週に数日取り入れてみると良いと思います。
4:正しい姿勢を意識する
貴方には下記の様な癖はありませんか?もしあるのであれば、正しい姿勢がとれておらず、疲れやすい姿勢になっているかもしれません。
- 足を組む
- 猫背になったり、思い出した時にはピンと背中を張る
- 立っている時に、左右の足に体重を移動したりする
- パソコンや携帯使用時に気づいたら前のめりになっている
当てはまる所があるのであれば、葛西選手直伝の疲れない姿勢を作る方法を試してみましょう。ちなみ、葛西選手は講演会などで1時間以上たちっぱなし、座りっぱなしでも姿勢をほとんど変えず、疲れも感じにくいそうです。これはこの正しい姿勢を作るトレーニングのお陰だそうです。
では、正しい姿勢を作るための3分で出来る方法をお教えします。
【1】仰向けに寝ながら、両膝を立てる
【2】おへその少し下の部分を、1センチほどへこます
【3】おへその下をへこましたまま、上半身を起こす
【4】おへそが見える位置まで来たら、3秒間キープする
【5】息を吐きながら体制をもどす
上記を5回繰り返す
5:ストレッチで「下半身の柔軟性」を高める
階段が上りにくい、座っているだけで疲れるなど、『筋肉が弱ってきているのかな』と思ったことはありませんか?日常での動きが困難になった時は、筋肉が少なくなったのではなく、柔軟が低下している可能性が高いと葛西選手は言っています。疲れない身体に必要なのは、強い筋肉よりもしなやかな筋肉です。筋トレをむやみにするよりも、ストレッチを意識した方が効果が高いでしょう。柔軟があるしなやかな筋肉は疲れにくく、動かしやすいのです。夜なる前など、定期的にストレッチを行ってみてください。
以上が葛西選手の本から抜粋させていただいた、疲れない身体を手に入れる方法です。一流のアスリートを何年も続ける葛西選手の身体を維持するコツですから、学ぶことが多くありました。本自体も読みやすいので、もし全文を読んでみたい方は下記からどうぞ。
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「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!/藤本 靖
藤本 靖 さくら舎 2012-07-03 売り上げランキング : 161870
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作者はボディワークの仕事をしており、疲れる原因は『感覚器官の使い方が間違っている』せいだと話しています。感覚器官とは、見る、聞く、立つなどの身体を使うときに使用する器官です。
この本は疲れる身体の使い方をまず説明し、その後疲れない身体のの正しい使い方を、具体的な方法を交えて説明しています。私がこの本を読み、目から鱗の納得がいったものを紹介します。もっと沢山の内容が乗っていますので、良ければ本も読んでみてください。
第一章:疲れをとる
1:身体をリラックスさせたい時は、聴覚に集中する
私たちは基本的に視覚刺激に敏感になっており、見ることに集中すると緊張します。逆に聞くことに集中(特に単純な音)するとリラックスします。立った状態で、一点を凝視した時と音に集中した時とでは重心が動くのを感じてみましょう。身体は緊張していると重心は指側へ、リラックスすると踵側へきます。ご自身の身体が、どの様な反応をするのか試してみましょう。
2:耳を引っ張り、頭の芯を緩め、目や頭を楽にする
両耳の真ん中をそれぞれの手の人差し指と親指で挟みます。そのまま、頭蓋骨から耳を2~3ミリ話すように引っ張ります。引っ張ったら、頭の中央にピンポン玉が入った状態をイメージします。そのピンポン玉が、息を吸ったら膨らむ、はいたら萎むとイメージしながら息をします。息に集中していると頭や身体が緩んでくるのが分かります。
※他にも口を緩める、目を緩める、鼻を緩めるなど、興味深い方法が乗っています。私個人は耳の方法が一番実感したのでご紹介しました。言いたい事を我慢してストレスが溜まっている人は口が、毎日目を酷使している人は目が疲れるなど、人によって疲れている場所は違うそうです。興味のある方は本を読んで試してみましょう
第二章:疲れにくい身体になる
さて、私が知りたかった事の本題です。疲れてはマッサージ、また疲れてはマッサージからの悪循環から抜け出すために、疲れない身体になる方法を調べていてこの本に辿り着いたのでした。この第二章は本当に興味深く、学ぶことが多かったです。では、ポイントをまとめていきます。
3:『正しく座る』とは、足とお尻の3点で身体を支える事
人は片足で立つよりは両足で立つ方が楽です。これは1点で身体を支えるより、2点で身体を支える方が楽だからです。そして座った時は、足とお尻の点で3点で身体を支える方が楽なのです。貴方は足を組んだり、貧乏ゆすりをしたりしていませんか?そういう事をしている人は、上手く足を使えていません。うまく足を使えていないと、足はその重みで前へずれ、前にずれた足と釣り合いをとるように、骨盤は後ろに倒れます。その結果として、腰は猫背になるのです。
正しく座る感覚を身に着ける方法
方法は2つ紹介されていますが、私がやりやすかった方法をご紹介します。まず、椅子に座り、座骨(お尻の一番出っ張っている骨)よりも少し膝よりに手を挟みます。そのまま、お辞儀をするように前に倒れこみます。倒れこんだら、両足で踏ん張って上半身を起こします。この時、なるべく上半身には力を入れず、下半身の踏ん張る力で起きるようにしましょう。起きた状態が正しい座り方です。また手を入れる方法ではなく、ダランと手を下した状態でも行ってみましょう。どちらも下半身に力を加えて、両足で起き上がっていきます。
上記の方法を行った感想としては、浅めに座り、思った以上に足に重さをかけて座るのが正しいのだなと思いました。この方法だと足を組んだりするのは難しく、また背筋は自然と起きる形になります。女性的には少し男らしい姿勢なのですが、これはいいんだろうか?という気持ちにはなりますが、基本パンツスタイルの私は良しとします(笑)でも足を組んだりする癖のある人は、慣れるまでに時間がかかりそうです。私は足が組みたくてうずうずしてしまいました。でも長時間仕事するぞと考えている時、意識してこれを行うと疲れにくいです。
4:『楽に見る』とは、情報が目に飛び込んでくる状態
パソコンや携帯など目を酷使することが多い現代では、目が疲れている人も多いと思います。この本では目を疲れなくする物の見方も紹介されていました。まず目が疲れる時の見方ですが、それは細部を隅々まで見ようと目、目を凝らしたときです。
実は人間の目は何かを長時間集中して見る様には作られておず、全体をぼんやりと眺めるようにした方が楽らしいのです。様は、自然を眺める目でパソコンや携帯を見れば、目が疲れないということです。こう言うと遠くを見る様にパソコンや携帯を見ようと聞こえるかもしれませんが、そういうわけではありません。
見る時のポイントは、目→パソコンというように目がパソコンによって行くのでなく、目←パソコンのようにパソコンの方が目によって行くイメージをして物を見る事です。これは実際行ってみればわかりますが、目が疲れにくとおもいます。
『楽に見る』を身に着ける方法
パソコンや対象物を見る時、それ以外の周りの環境(ディスクやコップなど)も一緒に見ると楽に見れます。この方法が難しい場合は、音に意識を向ける方法も有効です。
5:『人と目を合わせられない人』におススメの疲れない目の見方
この本は身体の疲れない使い方を紹介する本ですが、後半は身体の使い方で、脳が疲れない方法もお話ししています。例えば、人と会うと緊張する人の疲れない方法です。何種類かありましたが、ここでは人の目を合わせるのが疲れる方への改善方法をご紹介します。人の目を見て疲れる理由は、日本人は『見る事には慣れているが、見られることには慣れていない』せいではないかと言っています。目が自意識と深く結びついているので、相手から目を向けられると意識がこちらに入ってくる気がして、目を逸らしたくなるのではないのでしょうか。では、どうすれば良いのか。これも先ほど説明した、情報の方が目に勝手に入ってくる。自分はそれを目で受け取るだけ。という意識で見る方法が有効とのことです。人の目を見るのが苦手な方は、一度行ってみてもいいかもしれません。
6:『嫌いな人と接しても疲れない』方法
これも中々興味深いワークでした。例えば、近くの席に機嫌の悪い人がいたとします。そうすると何だか自分までイライラしてしまう事ありますよね。これは作者によると自意識が相手と同化してしまっている状態だそうです。なぜそうなるかと言うと、『イライラしている人がいるな。なんか嫌だから無視しちゃおう。』→意識してないから、相手との距離感が分からなくなり、自分の自意識と同化させてしまう。なので同じようにイライラするという事らしいです。嫌いな人でも同様です。ではどうしたらいいのか。作者は相手と自分の間に細長い棒がある事を想像してみて、あえて距離感を意識することを進めています。物理的な距離感を意識することで、自分と相手は違うんだと意識でき、相手の感情に引き込まれなくて済むかもしれません。
この様に、この本は疲れない身体の使い方のみならず、意識の方法などもお話ししているとても興味深い本でした。
目の使い方などは私も初めて知った話だったので、目から鱗でした。ここでは全てをご紹介できませんでしたので、ご興味ある方は一読をお奨めします。
まとめ
本日は疲れない身体になるための2つの本を紹介しました。疲れない身体になるには色々なアプローチがあるようです。逆に今の身体の使い方は、無理をしているかもしれません。1つでも自分の生活に取り入れて、疲れない身体を作っていきましょう。
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